参列者へ法事のお返しガイド｜相場・マナー・品物選びで失敗しないために

法事のお返しは、参列者への感謝を伝える大切な習慣です。しかし、「何を贈ればよいのか」「相場はどのくらいか」「どのようなマナーがあるのか」と悩む方も少なくありません。

本記事では、法事のお返しの基本を分かりやすく解説し、相場や品物選びのポイント、失敗しないための注意点を詳しくご紹介します。

故人を偲ぶ気持ちを形にし、参列者に心のこもったお礼を届けるために、ぜひ参考にしてください。

※宗派によって法事の考え方や作法が異なる場合がありますので、ご自身の宗派に合わせてご確認ください。

法事のお返しとは？意味とタイミング

法事のお返しとは、四十九日や一周忌、三回忌などの法事に足を運んでくださった方に、いただいたお供え（御仏前・お供え物料）のお礼として、手土産を用意することです。この手土産のことを「法事のお返し」や「法事の引き出物」と呼んでいます。関西では「粗供養」の名前でも知られています。

香典返しには、法要まで無事に終わったことを伝える意味もあります。そのため、忌明けにあたる四十九日法要後から1か月以内を目安にすることが一般的です。

近年は「即日返し(当日返し)」として、葬儀当日に香典返しを行う場合もあります。この場合は「会葬御礼(かいそうおんれい)」と一緒にならないように注意しましょう。

※会葬御礼は通夜や葬儀に参列いただいた方に香典の有無関係なくお渡しする品物です。

お返しと香典返しの違い

混合されがちな言葉に「香典返し」という言葉があります。「法事のお返し」と「香典返し」の違いは「四十九日の前か後か」です。仏教では「四十九日を忌明け法要」としており、四十九日を迎えると故人は仏さまとなり、成仏されると考えられています。

そのため、四十九日の前に、ご霊前へのお供えとして参列者などから頂いた金品「お香典」に対するお返しが「香典返し」です。一方で、四十九日を過ぎると故人は仏さまとなります。ご仏前へのお気持ちとして頂いた金品へのお返しは「法事のお返し」となります。

ここでは、それぞれの違いを一覧にまとめました。「お返しと香典返しは、どう違うの？」と迷ったら、まずはこちらを確認してみてください。

	【法事のお返し】	【香典返し】
返す時期	四十九日法要の当日	四十九日法要後2週間～1か月以内
返す方法	法要後の会食会場で原則手渡し	自宅へ配送お礼状を同封
誰から	喪主	喪主
誰へ	四十九日法要のお供えを下さった方	香典を下さった方
返す理由	四十九日法要のお供えへのお返し	香典へのお返し
返す品物	消えもの、消耗品（お米、お茶、海苔、お菓子、タオル	消えもの、消耗品（お米、お茶、海苔、お菓子、タオル
金額	金額は一律で準備3,000円～5,000円	頂いた香典の半額（場合によっては1/3）
表書き	粗供養、志	志、満中陰志
水引	白黒、白黄、銀結び切り	白黒、白黄、銀結び切り
お礼状	不要（ただし、後日送る場合は添付する）	必要(品物に添付して送る)

法事のお返しの相場

返礼品の金額に明確な相場はありません。一般的には、2,000円~5,000円程度が目安といわれています。

頂いた香典の3分の1から半額程度という考え方もありますが、香典の金額は人それぞれです。返礼品は法事当日にその場でお渡しするため、頂いた金額に合わせた品物をお返しするのは難しいでしょう。

したがって、目安を参考にしてあらかじめ品物を用意する場合がほとんどです。

法事のお返し｜品物の選び方

法事のお返しは、故人を偲ぶ気持ちと感謝の心を込めて選ぶ大切な品です。

こちらでは選び方のポイントやお返しの定番商品について紹介します。

・選び方のポイント

法事や法要のお返しにふさわしい品物は、形に残らない「消え物」で、持ち運びしやすい物を選ぶのがポイントです。

ジャンルは、お菓子や食品、洗剤、タオルなどの実用的な消え物で、送り手を選ばない品物が喜ばれやすいです。法事や法要には遠方から来られる方もいるため、持ち帰りがしやすく、軽くて小さい物が適していると言えます。

・お返しの定番商品など紹介

お返しの定番商品は以下になります。

「消え物」「消耗品」

・日持ちする食品…お菓子、海苔、乾物、乾麺など

・飲み物…日本茶、コーヒー、紅茶など

・石鹸、洗剤

「白いもの」

・布製品…タオル、ハンカチ、寝具（布団・シーツ）など

法事のお返しでのし・お礼状・渡し方のマナー

法事のお返しを渡す際に必要となってくる のしの種類や書き方・お礼状・渡し方のマナーについても理解をしておくことはとても大切です。

のしの書き方と表書きの例

年忌のマナーとして、お返しののしの種類を使い分けることがあります。一周忌までは黒白か双銀の結び切り、三回忌以降は青白か黄白の結び切りの水引を用います。表書きは、「志」または「粗供養」とします。

包装紙は、白や黒、グレーもしくは落ち着いた色調の青や緑のものを選びます。菊の模様などのシンプルな柄が入ったものでもよいでしょう。

表書きの文字の色は、慶事は濃い墨、弔事は薄い墨で書くのが基本とされています。しかし、関東の一部の地域では法事のお返し、引出物は濃い墨で書くこともあり、法事を行う地域の慣習に合わせるのがよいでしょう。

お礼状の文例（テンプレートあり）

お礼状の一例を紹介します。以下は、仏教と神道と無宗教の場合の一般的な文例になります。

仏教の香典返しのお礼状・文例

・頭語（謹啓）、前文挨拶

・通夜・葬儀への参列や香典をいただいたことに対するお礼

・四十九日法要を終えたことのご報告

・典返しの品物をお送りしたことのお知らせ

・本来は直接ご挨拶に伺うべきところ書面で済ませることのお詫び

・結語（敬具または敬白）

・日付

・喪主の名前

神童の香典返しのお礼状・文例

・頭語（謹啓）・前文挨拶

・会葬・香典に対するお礼

・五十日祭法要を終えたことのご報告

・本来は直接ご挨拶に伺うべきところ略儀で済ませることへのお詫び

・結語（敬具または敬白）

・日付

・喪主の名前

・香典返しの品物を贈ったことのお知らせ

無宗教の香典返しのお礼状・文例

・頭語（拝啓）

・葬儀・通夜への参列や香典をいただいたことに対するお礼

・生前のお付き合いに対するお礼

・香典返しの品物をお送りしたことのお知らせ

・締めの挨拶

・結語（敬具または敬白）

・日付

・喪主の名前

手渡し・配送など渡し方の注意点

直接香典返しを手渡しする場合、商品の包装紙の上にのし紙を掛ける「外掛け」になりますので注意して下さい。

郵送の場合は配送中にのし紙が破れたり汚れたりすることを防ぐため「内掛け」が基本になりますが、外掛けは品物を相手に贈った意味を明確に伝えるという意味があります。

最近では弔問客に葬儀の当日香典返しをお渡しする「当日返し」の習慣が広まっています。

当日返しの場合は香典返しの品を、同じく弔問客にお渡しする「会葬御礼」と間違われてしまいがちです。後になって「香典返しが来ない」と問題になってしまうのを避けるためにも「お香典のお礼としてお納め下さい」と一言添えるようにしましょう。

法事のお返し準備ですべきこと　

事前に準備すべきこと一覧

法事のお返しを準備する際には、事前の確認が重要です。まず、お返しの品は食品や日用品など「消えもの」を選ぶのが一般的で、お茶や菓子、タオルなどが定番です。

金額の目安は、いただいた香典や供物の半額～3分の1程度で、一般的には2,000円～5,000円程度が適切とされています。

次に、のし紙の準備が必要です。

黒白の水引を使用した「志」や「粗供養」と記載するのが一般的です。また、お礼状を添えることで、参列者への感謝を丁寧に伝えられます。文面には故人の名前や法要の日時、参列への謝意を記載し、礼儀を重んじた表現を心がけます。

遠方の参列者へは、お返しを郵送することも検討し、忌明け法要の前日までに届くよう配送手配を行います。参列者の人数を把握し、余裕を持って数量を確保しておくことで、当日の混乱を避けることができます。

どこで購入すればいいの

香典返しの主な購入先は、葬儀会社、百貨店（デパート）、ギフト専門ネットショップがあります。それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのかご紹介します。

1、葬儀会社

通夜や葬儀の式当日に香典返しをすることを、「即日返し（当日返し）」と言いますが、この場合は葬儀会社にお願いをするようになります。

メリットは、葬儀や法要の準備、気持ちの整理などで手一杯になっているときに、当日その場で香典返しを済ませておけば後々香典返しで悩むことが軽減されます。

デメリットは、即日返しの場合、香典の金額にかかわらず一律同じ品物を返すので、個別に品物を選ぶことができないことです。また、高額の香典を頂いた場合は、後日改めて追加の香典返しをするといった手間が発生してしまうのもデメリットです。

2、百貨店（デパート）

一番のメリットは百貨店のもつブランド力です。同じ品物でも百貨店の包装紙で包んであると、ブランド力や高級感を演出できます。また、商品の実物を直接手に取って選べるのも百貨店で購入するメリットです。

デメリットとしては、ブランド力がある反面、百貨店は基本的に定価販売ですので、どうしても価格面でのお得感は少なくなります。 また、百貨店が近くにない場合、実際に店舗へ行くには時間も労力もかかるのがデメリットです。

法要の準備や何かと心労で疲れ気味の時にはなおのこと大変です。
※現在は百貨店もネット通販をしていますので、店舗に行かなくても購入することが可能です。

3、ギフト専門ネットショプ

スマホかパソコンがあれば、自宅に居ながら品物選びから発送手配まで済ませられるのが大きなメリットです。そしてギフト専門店ですから、挨拶状や熨斗、専用包装紙、手提げ袋など香典返しに必要なサービスがすべて揃っています。 

また、商品の割引サービス、配送料の無料のサービス等、価格面でのサービスが充実しているのも大きなメリットです。
※具体的なサービス内容はショップごとに違いがあります。お手数ですがご確認下さい。

デメリットは、品物を直接確かめることができないことです。特に気をつけたいのはサイズです。画像だけだとサイズ感がわかりませんので、気になる品物は商品詳細でサイズを確認する必要があります。 

また、「失礼のない香典返しを贈りたい」とお考えの方は、有名メーカーやブランドの品物を選ばれると安心です。

法事のお返しでよくある質問

Q、お返しが不要なケースは？

法事における香典返しが不要となるケースは、主に香典を辞退した場合、少額の香典をいただいた場合、会社名義の香典の場合、または遺族の経済的な状況による場合に挙げられます。また、お供え物の場合も、一般的にはお返しは不要とされています。

Q、故人が無宗教の場合はどうする

故人が無宗教の場合、法事の形式は自由です。特定の宗教的儀式を行う必要はなく、故人を偲ぶために家族や友人が集まって会食をしたり、思い出を語り合ったりする会を設けるなど、様々な形で行うことができます。法事の回数や時期も決まりはありません。

Q、家族葬の場合のお返しの有無

家族葬でも、香典をいただいた場合には香典返しが必要な場合があります。香典を辞退している場合でも、香典をいただいた場合は感謝の気持ちとして、香典返しの品を贈るのが一般的です。

香典返しは即日返し、後返しのいずれかで送ります。また香典返しの費用の目安は、受け取った香典の半額から1/3ほどです。

まとめ

今回は法事のお返しに関する情報を紹介しました。

法事・法要のお返しは、お供え物や供物料へのお礼として参列者に渡す品物のことで、のし紙や表書きの書き方などに細かいマナーが決められているため、間違いのないようしっかり確認しておきましょう。

また、法事に参加いただいたお礼として、法事の引き出物なら津村製麺所の法事用ギフトセットがおすすめです。

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法事の引き出物としてお贈りすることで、故人とのご縁、そしてご参列くださった皆様とのご縁を大切に繋ぐ意味を込めることができます。

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